ガザ地区で食料を求めるパレスチナ人が、イスラエル軍による銃撃を受けているとされる問題で、詳細な調査結果が発表されました。米イスラエル支援のガザ人道基金(GHF)が運営する食料配給所の近くで、銃撃が頻発している実態が明らかになっています。
2000人以上が負傷、その多くが銃撃によるもの
ガーディアン紙の調査によると、約50日間の食料配給期間中、2000人以上のパレスチナ人が負傷し、その多くが銃撃によるものでした。30本以上の動画を分析した結果、少なくとも11日間、食料配給所の近くで機関銃による銃撃が確認されています。患者から回収された薬莢や、武器専門家による射撃パターンの分析から、イスラエル軍の弾薬が使用された可能性が高いとされています。
ヌオルさんの証言:10回以上も銃撃に遭遇
23歳の理髪師、エハブ・ヌオルさんは、食料配給所の近くで10回以上もイスラエル軍による銃撃に遭遇したと証言しています。食料を求めて集まった数百人のパレスチナ人が、機関銃の銃撃から逃げ惑う様子が記録されています。
病院関係者も証言:前例のない数の銃創患者
ハンユニスのナセル病院やラファの赤十字野戦病院の医師たちは、前例のない数の銃創患者を治療していると述べています。ナセル病院に搬送された患者のほとんどが、食料配給所に到着しようとした際にイスラエル軍に撃たれたと証言しています。
赤十字国際委員会(ICRC)も懸念
赤十字国際委員会(ICRC)も、多数の死傷者が出ている状況に懸念を表明しています。食料を求める人々が安全に食料を受け取れるよう、関係各方面に働きかけていくとしています。
今回の調査結果は、ガザ地区における人道危機の深刻さを改めて浮き彫りにしています。国際社会は、状況の改善に向けて、より一層の努力を求められています。