広島原爆から80年:未来への祈り、子どもたちの記憶を未来へ

広島原爆投下から80年:失われた未来へのメッセージ

広島に原爆が投下されてから80年。あの日の記憶は、風化させてはならない教訓として、今も私たちの心に深く刻まれています。新たに刊行された絵本は、原爆を体験した子どもたちの作文などを集め、当時の状況を鮮やかに描き出しています。

児童文学作家のあまんきみこさんは、この絵本に言葉を寄せ、「たくさんの未来が1発の原爆でなくなった。当時、そこに子どもたちがいたことを思ってほしい」と語ります。未来を奪われた子どもたちの存在、そして平和への願いが込められています。

絵本「1945年8月6日あさ8時15分、わたしは」

この絵本は、広島の原爆を体験した子どもたちが小中学生の頃に書いた作文6編を、いわさきちひろさんの絵とともに掲載しています。被爆して家族とともに逃げた時の様子や、疎開先で家族が亡くなったことを知った時の悲しみなど、当時の子どもたちの生の声が綴られています。

あまんきみこさんも、当時の記憶について言葉を寄せています。父親の仕事の関係で中国の大連にいたため、広島の原爆のことは翌日に「新型爆弾」という言葉で伝え聞いたこと、終戦の2年後に日本へ引き揚げ、列車で広島を通過する際に見た荒涼とした風景と、無言で手を合わせる母親の姿が忘れられないと述べています。

戦争の真実を伝える児童書

堀川理万子さんの『いま、日本は戦争をしている―太平洋戦争のときの子どもたち―』は、画家である堀川さんが、子ども時代に戦争を体験した17人にインタビューした話を基に制作されました。原爆投下後に避難する途中、保育園で見つけた鉄棒で遊ぶ少女たちの絵は、戦争の悲惨さと平和な日常の尊さを強く訴えかけます。

これらの作品を通して、私たちは戦争の悲劇を深く理解し、平和への願いを新たにすることができます。未来を担う子どもたちに、戦争の記憶を伝え、平和な世界を築いていくことこそが、私たちの使命です。

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