タイ・カンボジア国境紛争が深刻化、ラオスにも影響
タイとカンボジアの国境地帯で発生している武力衝突が激化の一途をたどっています。タイ国軍は26日、カンボジアとの戦闘において、砲弾の一部が隣国ラオスに着弾したと発表しました。被害状況はまだ明らかになっていませんが、事態は周辺地域にまで拡大する恐れが出てきました。
報道によると、ラオス政府内から流出したとみられる文書がSNSで公開され、ラオス南部チャンパサック県に10発分の砲弾が着弾し、建物の一部が損傷したことが示唆されています。人的被害については現在調査中です。
死傷者は増加の一途、停戦の兆しは見えず
両国間の武力衝突は3日目に入り、これまでに双方合わせて30人以上の死亡が確認されています。タイ保健省は、地元住民を中心に20人が死亡、30人以上が負傷したと発表。カンボジア国防省は、民間人8人と兵士5人の計13人が死亡、数十人が負傷したと発表しています。
国連安全保障理事会では緊急会合が開かれ、カンボジアは無条件での即時停戦と紛争の平和的解決を求めました。タイ政府も二国間交渉を呼びかけていますが、事態の鎮静化には至っていません。
背景にある領有権問題
今回の武力衝突の背景には、タイとカンボジアが領有権を争う国境地帯の問題があります。今年5月下旬には、カンボジア軍兵士1人が死亡する銃撃戦が発生し、両国間の緊張が一気に高まっていました。
- 国境地帯における領有権争い
- 5月下旬の銃撃戦による緊張の高まり
- 周辺国への影響拡大の懸念
今後の動向が注視されます。