ハイチ首都ポルトープランス、ギャングが9割を掌握…国家崩壊の危機
カリブ海の国ハイチで、首都ポルトープランスがギャング組織によってほぼ完全に掌握されつつあり、国家としての機能が失われる危機に瀕しています。国連高官は、この状況を深刻に憂慮し、国際社会に対して早急な行動を呼びかけています。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告によると、ギャングはハイチ政府の統治能力の低下に乗じ、ポルトープランスの約90%を支配下に置いています。ギャングによる暴力は日増しに激化しており、市民生活は完全に脅かされています。
ギャングの暴力、市民生活を破壊
国連安保理会合で、高官は「国家機関と法の支配が急速に崩壊している」と警告しました。ギャングによる残虐な暴力は、市民の日常生活のあらゆる側面に影響を及ぼしており、多くの人々が家を追われ、避難生活を余儀なくされています。報道によると、過去10日間で4万人以上が避難を強いられています。
- 国内避難民は130万人に達し、事態は深刻さを増しています。
- ギャングは、迷信を理由に184人もの人々を殺害したという痛ましい事件も発生しています。
国際社会の行動が不可欠
高官は、「国際社会が行動を強化しなければ、首都における国の存在の完全崩壊というシナリオが現実となる」と述べ、国際社会に対して緊急支援を訴えました。ハイチの治安回復と市民生活の安定のため、国際社会の迅速かつ効果的な支援が不可欠です。
紛争地の子供たちの人権侵害も深刻化
国連の報告書によると、紛争地における子供たちの人権侵害も過去最悪の4万件を超え、ハイチを含む多くの地域で子供たちが暴力の犠牲となっています。この現状を改善するためにも、国際社会は一層の努力を重ねる必要があります。
ハイチの状況は、単なる一国の問題ではなく、国際社会全体の課題として捉え、解決に向けて協力していく必要があります。