リヴァプールが岐路に立たされている。好調な滑り出しを見せたものの、最近の試合では精彩を欠き、チームのバランスが崩れているという声も聞こえてくる。ジェイミー・キャラガー氏は、古巣リヴァプールの試合を観戦後、「トップチームを見ている気がしない」と痛烈に批判。まるでバスケットボールのようにエンドツーエンドの攻防が繰り広げられ、組織的なサッカーが見られないと指摘した。
スロット監督が直面する課題
ユルゲン・クロップ監督の後を継いだアルネ・スロット監督は、就任以来初めてとなる3連敗を回避するために、数多くの課題に取り組まなければならない。特に、高額な移籍金で獲得した選手たちのパフォーマンスを最大限に引き出すことが急務だ。チーム全体のバランスを再構築し、守備の安定性を高める必要がある。
ヴィルツの苦悩
今夏、1億1600万ポンドという巨額の移籍金でレヴァークーゼンからリヴァプールに加入したフロリアン・ヴィルツも、その一人だ。コミュニティ・シールドではアシストを記録したものの、リーグ戦では未だにゴール、アシストともにゼロ。期待されたほどの活躍を見せられていない。
ヴィルツが最大限の能力を発揮できていない理由として、ビルドアップへの貢献が求められていることが挙げられる。リヴァプールはトレント・アレクサンダー・アーノルドを欠いてから、後方からの組み立てに苦労しており、ヴィルツはより低い位置でのプレイを強いられている。昨季のレヴァークーゼンではアタッキングサードでその価値を最大限に発揮していたヴィルツにとって、現状はゴールまでの距離が遠くなってしまっている。
さらに、プレミアリーグ特有の守備の堅さやプレッシャーの強さも、ヴィルツを苦しめている要因の一つだ。アタッキングサードのスペースを消すクラブが増え、ヴィルツが得意とする中央のライン間でのプレイが難しくなっている。プレミアリーグの笛の基準も異なり、ブンデスリーガとのギャップを感じているのかもしれない。
リヴァプール再建への道
スロット監督は、ヴィルツをはじめとする新戦力の能力を最大限に引き出すために、戦術の見直しや選手の配置転換など、様々な施策を講じる必要がある。チーム全体の連携を高め、守備の安定性を確保することも重要だ。リヴァプールが再び輝きを取り戻すためには、スロット監督の手腕にかかっていると言えるだろう。