モルドバ議会選:ロシアの介入激化でEU加盟に暗雲?
東ヨーロッパの小国、モルドバで議会選挙が行われました。EU加盟を目指す親欧米派と、ロシアとの関係強化を主張する勢力との間で激しい争いが繰り広げられ、結果は予断を許さない状況です。
特に注目されているのは、ロシアによる選挙への介入です。TikTokなどのSNSを通じて偽情報が拡散され、有権者の判断を惑わす動きが活発化しています。ある調査によれば、3週間で1万本ものフェイク動画が9300万回も再生されたとのことです。これは、人口わずか230万人のモルドバにとって、無視できない規模の影響力と言えるでしょう。
偽情報キャンペーンの脅威
- 生成AIによるフェイク動画の拡散
- SNSでのプロパガンダ組織の活動
- サイバー攻撃による選挙インフラへの妨害
親欧米路線のマイア・サンドゥ大統領は、こうしたロシアの介入に対し、国民に警戒を呼びかけています。しかし、世論調査では与党の支持率が伸び悩んでおり、選挙結果によってはEU加盟の道が閉ざされる可能性も指摘されています。
モルドバは、EU加盟国のルーマニアと、ロシアとの戦争が続くウクライナに挟まれた地政学的に重要な場所に位置しています。今回の選挙結果は、モルドバだけでなく、周辺地域の安全保障にも大きな影響を与える可能性があります。
今後の情勢を注視していく必要があります。