トランプ大統領の州兵派遣、連邦法違反と判断
ドナルド・トランプ大統領が移民取り締まり強化に抗議するデモを鎮圧するため、ロサンゼルスに州兵を派遣した件で、連邦地裁は連邦法に違反すると判断しました。治安維持を目的とした軍の動員を禁じる民警団法に、トランプ大統領が故意に違反したとされています。
ブライヤー判事は、100年以上の歴史を持つ法律を州兵派遣が「故意に」犯していると指摘しました。カリフォルニア州のニューサム知事は、ロサンゼルスでの軍の利用を阻止するため、6月に連邦政府を提訴していました。
他都市への影響は?
この判決の効力はカリフォルニア州に限られますが、トランプ大統領が他の主要都市にも軍を派遣する可能性を示唆しているため、今後の裁判所の判断に影響を与える可能性があります。トランプ大統領は既に、首都ワシントンに州兵を展開させ、シカゴやボルティモアにも同様の措置をとると警告していました。
シカゴ市長、トランプ政権の移民取り締まりに警戒
シカゴ市の地元当局は、連邦政府による大規模な移民取り締まり作戦が開始される可能性に警戒を強めています。ジョンソン市長は、トランプ政権の取り締まりに対抗するための行政命令に署名しました。
イリノイ州のプリツカー知事は、州兵の派遣計画について政権と連絡を取っていないとし、こうした動きを「侵略」だと指摘しました。情報筋によれば、政権による強制執行活動は近く開始される見通しで、移民税関捜査局(ICE)や税関・国境警備局(CBP)の要員に加え、州兵が加わる可能性もあります。
イリノイ州知事「トランプ氏の州兵派遣は侵略」
プリツカー知事は、トランプ大統領が各都市に州兵を派遣する最終的な目的は2026年の選挙を掌握することにあると述べ、こうした動きを「侵略」と呼びました。トランプ大統領が州兵派遣を示唆している他の都市は、いずれも大統領の政敵が統治する地域となっています。
プリツカー知事は、州政府の意向に反する軍隊の展開は「米軍による侵略だ」と強く非難しました。