備蓄米の遅配問題、なぜ?
一部ネット通販で政府備蓄米の遅配が相次いでいることを受け、消費者の間で不安の声が上がっています。新米価格の高止まりが予想される中、割安な備蓄米へのニーズは高いものの、販売期間の延長後も流通の混乱は続いており、配送の大幅な遅れが生じています。
「6月に契約したのに10月発送の可能性も」という声も聞かれ、一部の通販サイトでは、備蓄米の発送時期が見通せないことを伝える注意事項が並んでいます。小売業者からは「引き渡しの受託業者から配送の延期が相次ぎ、入荷が遅れている」との報告も。
農水省の対応と小泉大臣の見解
農林水産省は、随意契約による備蓄米で注文を受けた28万トンのうち10万トンが期限までに引き渡せなかったとして、販売期限を延長しました。小泉進次郎農相は閣議後記者会見で、農水省が引き渡しを終えていない業者に、引き続き対応を求めていることを明らかにしました。
JA概算金も報告対象に
農水省は、2025年産米からJAなどの集荷業者に対し、生産者に支払った「生産者概算金」に加え、JA全農県本部や経済連が単位農協に示す「JA概算金」についても新たに報告を求めることを決定しました。
スーパーのコメ価格は?今後の見通し
スーパーで販売されたコメの価格は、3週間ぶりに値下がりしました。農林水産省が発表した最新のコメの平均価格は、前の週より62円安い5キロあたり3749円でした。小泉大臣は2025年産のコメの作柄について「高温や渇水の影響が一部でみられるものの、生産はおおむね良好」と説明しています。予定通り56万トンの増産となれば「価格安定化に一定のインパクトがあるのは間違いない」としています。
今後の課題
- 備蓄米の流通の円滑化
- コメ価格の安定化
- 生産者への適切な利益還元