北方領土問題、進展は?元島民の切実な声と首相の決意

北方領土問題:元島民の声、首相との面会で再燃

北方領土問題は、依然として日本とロシア間の懸案事項です。最近、元島民のひ孫にあたる北海道の中学生たちが総理大臣官邸を訪問し、石破首相と面会しました。彼らは、ロシアのウクライナ侵攻の影響で中断されている「北方墓参」の早期再開を強く要望しました。

面会した中学生の一人、冷清水咲夢さんは、曽祖父が歯舞群島志発島に住んでいた経験を持ち、「北方墓参」が元島民にとって非常に大切な機会であることを訴えました。彼女は、墓参が中断されている現状を「つらく悲しい」と表現し、再開への強い希望を表明しました。

石破首相は、これに対し、日露関係が厳しい状況にあることを認めつつも、北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するという日本政府の方針に変わりはないと強調しました。また、「生まれ故郷に帰りたい」、「せめて墓参りしたい」という元島民の願いは人道上の問題であると述べ、ロシアへの働きかけを続ける考えを示しました。

洋上慰霊も実施:帰れぬ島への思い

北方領土への上陸が困難な状況が続く中、元島民やその家族は「洋上慰霊」という形で祖先を偲んでいます。先週行われた慰霊には、53人が参加し、船上から故郷の返還を祈りました。参加者の平均年齢は89歳を超え、故郷への思いはますます強くなっています。

勇留島の元島民、角鹿康司さんは、「もう時間がない」と語り、島で亡くなった人々に現状を報告し、助けを求める思いを述べました。参加者たちは、それぞれの故郷の島を思い、慰霊の式典で花を手向けました。

今後の展望:粘り強い交渉が鍵

北方領土問題の解決には、ロシアとの粘り強い交渉が不可欠です。日本政府は、元島民の思いを受け止め、あらゆる外交努力を通じて、問題の解決を目指していく必要があります。北方墓参の再開に向けた具体的な進展が期待されます。

  • 北方領土問題の現状
  • 元島民の声と首相の対応
  • 洋上慰霊の実施
  • 今後の交渉の展望

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