御嶽山噴火から11年…遺族らが慰霊登山、癒えぬ悲しみと祈り

2014年9月27日に発生した御嶽山噴火から11年を迎えるにあたり、27日、遺族らによる慰霊登山が行われました。この痛ましい災害では58名が亡くなり、現在も5名が行方不明となっています。遺族たちは、変わり果てた山を前に、今も癒えることのない悲しみを胸に、犠牲者の冥福を祈りました。

山頂での追悼と、登山道から外れた場所での祈り

噴火発生時刻である午前11時52分、御嶽山の山頂では、遺族や関係者がシャボン玉を空に放ち、亡くなった家族や友人への思いを届けました。今年は、木曽町と王滝村の協力により、登山道から外れた場所での追悼も初めて実現しました。これまで立ち入ることが難しかった場所で、犠牲者を偲び、静かに手を合わせる遺族の姿がありました。

弟との思い出を胸に

弟を亡くした寄能孝志さん(64)は、「(弟と)同じ景色を見られたっていうところがすごく良かったです」と語り、慰霊登山に参加できた喜びを噛み締めました。11年の歳月が流れても、大切な人を失った悲しみは消えることはありません。しかし、慰霊登山を通して、少しでも心が安らぐことを願うばかりです。

  • 2014年9月27日 御嶽山噴火発生
  • 死者58名、行方不明者5名(現在も捜索活動は継続中)
  • 遺族らによる慰霊登山が毎年実施
  • 噴火発生時刻に合わせ黙祷、献花
  • 登山道外の場所での追悼も実現

遺族の高齢化が進む中、慰霊登山をどのように継続していくのかも課題となっています。今後も、御嶽山の噴火を風化させることなく、犠牲者の鎮魂と遺族の心のケアを続けていくことが重要です。

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