チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が、自身の後継者を選ぶ「転生」制度を存続させるという声明を発表し、注目を集めています。ダライ・ラマ14世は、90歳の誕生日を前に高僧らの会合でビデオメッセージを寄せ、その中で「転生」制度の存続を確約すると表明しました。さらに、「後継者の認定手続きは過去の伝統に従うべき」との考えを示し、中国政府を牽制する姿勢を見せています。
中国政府の介入を警戒
中国政府は、ダライ・ラマ14世を「チベット独立を企む分離主義者」と批判しており、後継者問題にも介入する意向を示唆しています。中国政府が独自の「ダライ・ラマ」を擁立する可能性も指摘されており、ダライ・ラマ14世は生前に後継者を認定することで、中国政府の介入を防ぐ狙いがあると見られています。
ダライ・ラマ14世は声明の中で、「後継者の選出に他者が干渉する権限はない」と明言し、中国政府を強く牽制しました。この声明に対し、中国外務省は「ダライ・ラマ14世の後継者選びには政府の承認が必要」と反論しており、両者の対立は一層深まることが予想されます。
今後の展開
ダライ・ラマ14世の後継者問題は、チベット仏教界だけでなく、国際社会にも大きな影響を与える可能性があります。中国政府の介入を阻止し、チベット仏教の伝統を守ることができるのか、今後の動向が注目されます。
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