ホンダ燃料電池戦略見直し!市場の伸び悩みで計画延期か?

ホンダ、次世代燃料電池システムの生産計画を延期

ホンダは30日、栃木県真岡市で2027年度から予定していた次世代燃料電池システムの生産開始時期を延期すると発表しました。当初、年間3万基の生産能力を見込んでいましたが、これも下方修正されます。水素を燃料とする燃料電池車(FCV)市場の伸び悩みと、水素供給網の構築の遅れが主な要因です。

ホンダは2021年に、真岡工場でのエンジンや部品の生産を2025年中に終了することを発表していました。その後、昨年12月には、その跡地を利用して次世代燃料電池システムを生産する計画を明らかにしていましたが、今回の見直しにより、計画は大幅に変更されることになります。

背景にある市場の現状

FCVは、環境負荷の大きいガソリン車やディーゼル車の代替として期待されていますが、水素ステーションの整備が進んでいないことや、FCV自体の価格が高いことなどから、普及は想定よりも遅れています。ホンダは、こうした市場の現状を踏まえ、今回の計画見直しを決定しました。

今後のホンダの戦略

ホンダは、今回の計画延期と生産能力の引き下げに伴い、政府の「グリーントランスフォーメーション(GX)サプライチェーン構築支援事業」への採択を辞退します。今後の具体的な戦略については明らかにしていませんが、電気自動車(EV)への投資を一時的に抑制し、ハイブリッド車(HV)に注力する方針も示唆されています。

  • 燃料電池システムの生産開始時期を延期
  • 生産能力を年間2万基未満に下方修正
  • 政府のGX支援事業への採択を辞退
  • 市場の動向を注視しつつ、新たな戦略を検討

ホンダの今回の決定は、自動車業界における燃料電池技術の普及に対する一つの警鐘となるかもしれません。今後の水素エネルギー社会の実現に向けて、官民一体となった取り組みがより一層重要となるでしょう。

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