ハイチ危機深刻化!国連安保理、ギャング対策部隊を大幅増強へ

国連安全保障理事会は、カリブ海の島国ハイチにおける深刻な治安悪化に対応するため、多国籍部隊の規模を大幅に拡大することを決定しました。武装ギャングが首都ポルトープランスのほぼ全域を支配し、市民生活が脅かされる状況を受け、ギャング制圧部隊として再編、人員を最大5倍に増強する決議が採択されました。

ハイチの現状:ギャング支配と人道危機

ハイチでは、ギャング間の抗争が激化し、約130万人が家を追われ、深刻な飢餓状態に陥っています。ユニセフによると、ギャング構成員の約50%は子どもであるという衝撃的な事実も明らかになっています。2021年のモイーズ大統領暗殺以降、治安は急速に悪化し、殺人、誘拐、性的暴行などの凶悪犯罪が多発。国連によれば、2025年上半期には3100件を超える殺人事件が報告されています。

国際社会の支援:新たな多国籍部隊の役割

今回の国連安保理の決議は、米国とパナマが提出し、ロシア、中国、パキスタンが棄権する中、12カ国が賛成しました。新たな部隊は、人員拠出国に米国とカナダが加わった枠組みで指導体制を強化し、国連の新たな現地事務所が支援を行います。参加国には、ギャング制圧のために必要なあらゆる措置が認められ、武力行使も容認されています。

  • ギャング制圧作戦の実行
  • 単独行動の許可
  • 最大5550人規模への拡充

しかし、資金と人員は各国が自主的に拠出するため、現行のケニア主導の多国籍安全保障支援ミッション(MSS)が抱える人員や物流の課題を克服できるかは不透明です。ロシアと中国は、米国が違法武器流入を止められず、資金も不十分だったと批判しています。

ハイチの暫定大統領評議会のローラン・サン・シル議長は国連総会において、国際社会の支援を訴えています。ハイチの治安回復は、国際社会全体の課題として、今後も注視していく必要があります。

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