ドン・キホーテ創業者、安田隆夫氏の資産承継に注目集まる!
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を一代で築き上げた安田隆夫氏(76歳)が、末期の肺がんであることを公表し、9000億円とも言われる巨額の資産承継に注目が集まっています。独特な「宝探し」スタイルの店舗は、日本国内だけでなく海外でも人気を博しています。
安田氏は昨年8月、息子の裕作氏(24歳)を将来の当主とする意向を示しました。しかし、まだ学業を終えたばかりの裕作氏が、時価総額3兆円規模のPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の取締役に就任したことは、世襲の象徴としてだけでなく、リスクも孕んでいると指摘されています。
日本リスクマネジメント学会の亀井克之理事長は、「投資家の心理は、裕作氏の影響力や公の場での存在感、そして経営陣が創業者から受け継ぐものと優先すべき経営課題とのバランスによって左右される可能性がある」と述べています。
安田氏は、2011年に著書「源流」で企業理念を明確に示し、創業者が率いる経営から組織的な運営への移行を目指していました。日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授は、「創業者のカリスマ性による影響力が大きい企業だけに、後継者の育成と組織運営への移行がスムーズに進むかが重要になる」と指摘します。
PPIHは、安田氏のシンガポール移住の理由についてコメントを控えていますが、相続税対策の可能性も指摘されています。立命館大学元講師の竇少杰氏は、「安田家が相続税負担を管理する措置を講じていなければ、税金を賄うために株式の一部を売却せざるを得なくなり、会社支配力が弱まる可能性があった」と分析しています。
今後、安田氏の資産承継がPPIHの経営にどのような影響を与えるのか、引き続き注目されます。
- 安田隆夫氏の資産承継問題
- 24歳息子の裕作氏が取締役に
- 投資家心理への影響
- 相続税対策の可能性