ソフトバンクは、データセンターの設備構築と保守作業の自動化を目指し、画期的なケーブルレス構造のサーバーラックを開発したと発表しました。この新しいサーバーラックは、ロボットによる作業を容易にすることを目的に設計されており、データセンターの効率化に大きく貢献することが期待されます。
ケーブルレス構造がもたらす革新
従来のデータセンターでは、サーバーラック内の複雑なケーブル配置がロボットによる自動化の大きな障壁となっていました。ケーブルが密集しているため、ロボットが対象機器を正確に認識し、操作することが困難だったのです。ソフトバンクは、この問題を解決するために、電源や通信などのケーブル接続が不要なケーブルレス構造を採用しました。
EIA規格対応とロボットによる設置
今回開発されたサーバーラックは、ソフトバンクが独自に設計したアダプターを含む接続機器と内部構造により、EIA規格(幅19インチ)の汎用サーバーをケーブルレスで設置できます。電源、冷却、通信の全てがケーブルレスに対応しているため、ロボットはサーバーをラックに押し込むだけで設置が完了します。これにより、サーバーの設置や交換作業が大幅に効率化されます。
今後の展望
ソフトバンクは今後、実際の施設でロボットと連携させ、作業の自動化を円滑に進められるかを検証する予定です。また、外部企業と連携し、自律走行型の搬送ロボットや無人搬送フォークリフトの開発にも取り組むとしています。2026年度の開業を目指す北海道苫小牧市の大規模データセンターへの導入を目指しており、データセンターの自動化に向けた取り組みを加速させています。
慶応大学との連携
慶応大学も、AIを活用したデータセンター向け電力大幅削減の光ファイバー技術を開発しており、ソフトバンクとの連携によって、より効率的なデータセンター運営が期待されます。
- サーバー設置・撤去の自動化
- 故障時の交換作業の自動化
- 点検作業の自動化
ソフトバンクのこの革新的なサーバーラックは、データセンター業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。