米株式市場は、FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨の発表を受け、引け際に買いが入り、下げ渋る展開となりました。特に、これまで売られていたハイテク株に買い戻しの動きが見られ、22日のパウエルFRB議長の講演を前に、市場の関心が高まっています。
FOMC議事要旨:インフレリスクへの警戒
7月に開催されたFOMCの議事要旨では、FRBがインフレリスクを依然として重視していることが示されました。この内容は、パウエル議長が前回会合後に発したタカ派的なコメントと整合的であると見られています。
市場の反応:エネルギー株とディフェンシブ株が上昇
S&P500種株価指数では、エネルギー株やディフェンシブ銘柄など、主要グループの多くが上昇しました。大型ハイテク株は一時下落したものの、その後下げ幅を縮小しています。ハイテク株の比重が高いナスダック100指数は0.6%下落しましたが、一時は2%近く下げる場面もありました。
AIバブル論の台頭
一方で、市場では「AIバブル論」も台頭しており、警戒感も高まっています。ナスダック総合株価指数は3日続落となり、AI関連銘柄の今後の成長性に対する懸念が広がっています。この点においても、パウエル議長の講演が注目されています。
専門家の見解
JPモルガン・チェースのアンドルー・タイラー氏は、「21日の製造業購買担当者指数(PMI)データと22日のパウエル議長講演を控え、押し目で買いたい投資家が試される日だ。市場の方向性やテーマが変わる要因になりかねない」と分析しています。
今後の展望
投資家は、パウエル議長の講演の内容を注視し、今後の金融政策の方向性を見極めようとしています。市場の動向は、FRBの政策判断や経済指標の発表によって大きく左右される可能性があります。