モザンビークのマニカ州では、一攫千金を夢見る人々が過酷な違法採掘に手を染めています。ジンバブエとの国境に近いこの地域では、基本的な保護装備もないまま、文字通り裸足で金や宝石を掘り出す鉱夫たちの姿が見られます。
「ここには大金がある」と語るのは、ムクルマドゼ地区で働くフェルナンド・マサダさん。彼はかつて一日で270グラムの金を採掘し、そのお金で家を改修し、バイクを購入しました。この成功体験が彼をこの危険な仕事から離れられなくさせているのです。
「ガリンペイロ」たちの夢と現実
「ガリンペイロ」と呼ばれる鉱夫たちは、モザンビークだけでなく、ジンバブエやマラウイなど、南部アフリカ各地から集まってきます。彼らは一攫千金を夢見て、危険を顧みず採掘に没頭します。
環境汚染という深刻な代償
しかし、この夢には有害な側面があります。採掘現場周辺の川は汚染され、水銀が土壌に浸透し、農民たちの生活を脅かしています。モザンビーク国立統計研究所(INE)のデータによると、国内には約23万人の鉱夫がおり、マニカ州には338カ所の小規模な採掘拠点が存在します。そのうち288カ所が現在も稼働中です。
世界銀行の警告
世界銀行の推計では、サハラ以南のアフリカの田舎で小規模な採掘に従事する人は約1000万人に達するとされています。違法採掘は、個人の生活を一時的に豊かにするかもしれませんが、長期的に見れば、環境破壊や健康被害といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。持続可能な解決策が求められています。
- 違法採掘の実態
- 環境汚染の深刻さ
- 持続可能な解決策の必要性